保有技術
SEC(エス・イー・シー)練混ぜ
特 長
2. 強度が向上し、安定する
圧縮強度等が向上すると同時に強度のバラツキが小さくなります。
◎壁状試験体のコンクリート強度試験結果
高さ3m、幅0.8m、厚さ15cmの壁状のコンクリート試験体でのコアの圧縮強度と埋め込んだ鉄筋の引張りによる、最大付着強度を高さ毎に示します。
出典:「SECコンクリートの特性と建築工事への適用」
加賀、山本、伊東:建築の技術施工 P53~64, 1981年10月
圧縮強度、付着強度共にSECコンクリートの方が大きく、上端部での強度の低下も小さいです。
また、壁体の縦切断面の砂利量の上端部/下端部の割合は一括練混ぜが95.5%であるのに対しSECコンクリートでは99.3%でほとんど砂利の分離・沈降が認められませんでした。
出典:「SECコンクリートの特性と建築工事への適用」
加賀、山本、伊東:建築の技術施工 P53~64, 1981年10月
◎繰り返し衝撃曲げ試験結果
コンクリートの供試体に重り(1kg)を高さを変えて落下させて、破断までの回数を求める試験の結果を示します。全ての落下高さでSECコンクリートの方が回数が大きくなりました。
*供試体は10cm×10cm×40cmの寸法としました。
出典:「SECコンクリートの特性と建築工事への適用」
加賀、山本、伊東:建築の技術施工 P53~64, 1981年10月
試験体コンクリートの調合
種類 | W/C (%) |
S/C | S/a (%) |
単位量(kg/m³) | スランプ (cm) |
空気量 (%) |
容量 (kg/l) |
ブリージング率 (%) |
強度(kg/m²) | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
セメント | 水 | 砂 | 砂利 | 混和剤 | 圧縮 | 曲げ | ||||||||
SEC | 55 | 2.5 | 49 | 345 | 190 | 867 | 910 | 3.45 | 6.5 | 2.4 | 2.33 | 0.98 | 406 | 56.5 |
Non SEC | 〃 | 〃 | 〃 | 〃 | 〃 | 〃 | 〃 | 〃 | 7.5 | 3.8 | 2.33 | 1.54 | 397 | 53.5 |
◎繰り返し曲げ試験結果
供試体に繰り返し載荷を行い、破断までの回数を求めた試験の結果を示します。
SECの方が回数が大きくなっています。
*供試体は10cm×10cm×40cmの寸法としました。
種類 | 調合 | 性能 | 繰返し曲げ試験 (繰返し回数) |
|||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
W⁄C (%) |
セメント (kg/m³) |
砂 (kg/m³) |
砕石 (kg/m³) |
水 (kg/m³) |
高性能 減水剤 (kg/m³) |
スランプ (cm) |
空気量 (%) |
圧縮強度 7日 |
曲げ強度 7日 |
1.82(t) | 1.74(t) | |
SEC | 35 | 450 | 675 | 1080 | 158 | 4.5 | 14.0 | 2.9 | 603 | 74.6 | 80回 | 110回 |
Non SEC | 〃 | 〃 | 〃 | 〃 | 〃 | 〃 | 6.5 | 2.5 | 550 | 77.9 | 22回 | - |
曲げ試験装置
繰り返し衝撃曲げ試験および繰り返し曲げ試験の結果ではSECコンクリートの方が一括練混ぜコンクリートに比べ骨材とセメントペーストの境界の付着強度が大きく、繰り返しの引張強度が大きくなったためと考えられます。
これは、一次練混ぜで水セメント比の小さいキャピラリー状態のペーストを練ったことにより骨材表面の欠陥が改善され、付着力が向上したためと考えられます。
出典:「SECコンクリートの特性と建築工事への適用」
加賀、山本、伊東:建築の技術施工 P53~64, 1981年10月