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SEC(エス・イー・シー)練混ぜ

分割練混ぜのセメントペーストは一括練混ぜに比べ降伏値が大きく、塑性粘度が小さいことについて文献1)を引用して説明します。

これによると、分割練混ぜのセメントペーストは一括練混ぜ(通常)のそれに対し、降伏値が大きく、塑性粘度は小さいということを図-3の降伏値と塑性粘度の関係で示しています。
引用の文献では、分割練混ぜと一括練混ぜのセメントペーストについて管式粘度計試験を行っています。
(ここで引用文献では分割練混ぜをDM(ダブルミキシング)、一括練混ぜをSM(シングルミキシング)と表現しています。)
ペーストのW/C は50、60%で、最適一次水W1はW1/Cが24%で、練混ぜ時間を変化させてペーストを製造して試験を行っています。
管式粘度計の概要図を図-1に、流出速度と圧力の関係を図-2に示します。
また、この試験結果より降伏値(τf)と塑性粘度(ηpl)の関係を図-3に示します。
(図-3 は引用文献の図7-19より高性能減水剤のデータを除き、分かり易いようにグループ化印および矢印などを付け加えました)

著者は、分割練混ぜの効果の有無により、管式粘度計の試験結果から降伏値(τf)と塑性粘度(ηpl)には明らかな相関関係があることを示しました。この効果の有無によりこれらを分類するとこの関係は図-2に示すように、次の三つの領域に分類することができるとしました。
すなわち
①:最適W1/Cで分割練混ぜ(DM)で製造したときの領域、
②:最適W1/C以外の分割練混ぜ(DM)で製造したときの領域、
③:通常の一括練混ぜ(SM)で製造したときの領域、
このように、セメントペーストの降伏値と流動性は練混ぜ方法に強く依存していることを明らかにしました。
分割練混ぜのスラリーペーストは一括練混ぜのスラリーペーストと比べ、降伏値(τf)が大きく、塑性粘度(ηpl)が小さいことが分かります。
これは「分割練混ぜのペーストは一括練混ぜのそれに比べ、力が作用した瞬間には動きに難く、動き出すと小さな力で動くこと」を意味します。

イメージ:管式粘度計 概要図
図-1 管式粘度計 概要図

イメージ:セメントペーストの流動曲線
図-2 セメントペーストの流動曲線

イメージ:降伏値(τf)と塑性粘度(ηpl)の関係

図-3 降伏値(τf)と塑性粘度(ηpl)の関係

引用文献1):「コンクリートの新しい練りまぜ方法に関する研究」笠井哲郎
広島大学 博士輪文 (1990年3月)

このようなペーストの降伏値(τf)が大きいという性質により、吹付けコンクリートでは瞬間的にペースト表面の空気の流速が急増し、圧力が急減するときのペーストの飛沫の発生・飛散を少なくするので、粉じん発生量が低減すると考えられます。
また、分割練混ぜは塑性粘度(ηpl)が概して小さく、流動下と同じく振動下でも変形しやすくなり、コンクリート塊の運動エネルギーを吸収し跳ね返りを低減すると考えられます。

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